毎年7月早々には、八幡山が宵山中に授与する「厄除け粽」を造ります。

笹粽は既に京都の北山の農家の人が造ってくれて居ますので、それに5枚の化粧紙を取り付けてゆくのです。

もう何十回も続けて頂いて居る人や、全く初めて来られる人など、実に和気藹々とお喋りしながら、賑やかな作業です。

 

 

 

 

町内の大口の発注者は、各自で造られて居ますので、それらも一緒にお預かりして、全てを数日後に八坂神社に運び込んで御祓いを受けます。

それで初めて「厄除け粽」になります。

これらは、後祭の八幡山の宵山、21.22.23日に町会所で、子供達が童唄を唄いながら授与致します。

子供達の歌声です。  (萬)           

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ここに入って頂いて、下の方の「童唄の動画再生」をクリックして下さい。

 

宵山の八幡山では、このような解説文を流して懸装品の紹介をしています。

是非お出かけ下さい。 

 

こちらは、祇園祭の山鉾33基のひとつ、八幡山です。

当お山は、京都府の石清水八幡宮を町内に勧請(かんじょう)しております。

毎年7月24日の後祭には、正面に御覧頂ける、総金箔を施したおを始め自慢の懸装品(けそうひん)をたくさんお山の上に飾り付けて、祇園祭山鉾巡行に参加して居ます。

天明年間の作と伝えられる大変貴重なお社と共に、その中の運慶作応神(おうじん)天皇騎馬像を是非拝観なさってください。

お社の廻りの黒塗りの囲いは、と言います。これもお山に飾ります。元文5年280年前の作になります。

この、黒塗りの欄縁に金色鮮やかに取り付けられるのが、下に並べられた鶴の形の金物で天保7年作です。

今、常飾りをしているおもてのお山は、巡行の朝、この部屋に有る懸装品の殆どをお山に載せ替えて、第一装の飾りに仕上げます。

左甚五郎作の、鳩一対も、鳥居の上に取り付けて、お山に載せます。

この鳩は、数百年も経過して傷みが激しいので平成24年に「復元・新調」致しました。巡行には、新しい鳩を取り付けます。並べられた新旧の鳩を御鑑

賞下さい。

左の奥に飾ってあります、大きな2枚の織物は、見送りと言って、お山の後ろを飾る華々しい物です。

龍の柄、童の柄2枚有りますので、1年おきに巡行にけています。いずれも250年前の製作です。

真ん中に有る、黒塗りの柱に金色の金具を施した長い棒3本は、見送り掛けです。

これを、鳥居の形に組み立てて見送りを掛けます。天保八年の作です。

見送りの上には、()毛氈(もうせん)の上に展示しています、丸い大きな飾り物を2個、裾にはやはりによる、(れい)()の模様の金具を7個つけます。

飾り台に掛けられた、4個一組、菱、岩、花の3種類の金物は、お山の四隅(よすみ)を飾る房掛けです。

正面や、左右に飾っております何枚もの織物は、お山の胴飾りで、右端の薄地に龍の図柄と左端の紺地に麒麟の図柄のものを毎年交互に懸けています。

右上の方に有る、横長で金色のものは、と言って胴懸けの上を飾ります。

漢詩の文字が正面に織り込んで有るつづれ織は、と言って前掛けになります。

この前掛けの図案は、元禄時代の八幡山見送りの消えかけた文字を赤外線カメラで判読して再現したものです。

前掛けと水引は、ともに、昭和六十一年に新調しました。

その右は、当お山では唯一の染色で仕上げた印度更紗の後懸けです。

金色鮮やかな御幣(ごへい)は、お山の正面の左右を豪華に飾るもので、これも天保8年の作です。

文箱は、文政7年と元禄17年のものが有り、巡行順序をしたためた(くじ)を入れて、24日の巡行に臨みます。

木箱に入った、四角い十六個はお山を担ぐ為のき棒の端を飾る轅先(えんさき)金具です。

尚、当八幡山所有で、京都市指定有形文化財の大変貴重な屏風を、後ろの収蔵庫で御覧ください。

350年前の江戸時代初期の作品で、ので、往時の祇園祭をぶ、絶好の資料とされて居ります。

この原本は破損や退色を避けるため博物館にて保管とし、平成23年からは、寸分違わぬ出来映えの「デジタル複製版」を展示しております。

また、八幡山ではこの他にも、由緒有る屏風を多く所有しておりますので、それらを当町内のお宅の玄関をお借りして

4カ所で展示しております。是非御鑑賞ください。

武運長久、厄除けあらたかな、はちまんさんにお参り頂き、粽、鳩笛、鳩鈴などをお求め下さい。

 

                                       平成30年       祇 園 祭       八 幡 山 保 存 会