祇園祭山鉾巡行の順番を決める籤(くじ)取り式は、巡行の先陣争いが絶えなかったことから、応仁の乱後に再興された明応9年(1500年)より、混乱をさけるために始められたといわれています。
この籤(くじ)取り式は、江戸時代には雑色(ぞうしき:京都所司代に属して京都の行政、警察、司法の補助をする人)立ち会いのもとに六角堂で行われ、京都所司代の花押等のあるくじ証が渡されていました。場所は明治以降は府庁、同年32年から京都市役所に変わり、戦後一時期、八坂神社となりましたが、昭和28年から日も7月2日に一定し、京都市役所市会議場で行われています。

籤(くじ)取り式には、現在7月2日に京都市長が奉行役になり、八坂神社宮司、祇園祭協賛会長、清々講社幹事長、財団法人祇園祭山鉾連合会理事長、各山鉾代表者などが集まり行われています。

籤(くじ)取り式では、巡行する山鉾すべてが籤(くじ)を取るのではなく、現在巡行している山鉾32基のうち、長刀鉾、函谷鉾、放下鉾、岩戸山、船鉾、北観音山、橋弁慶山、南観音山の8基は先例により籤(くじ)を取らない事になっています。

籤(くじ)取りは、あらかじめ、籤(くじ)を引く順番を決める予備の籤(くじ)取りが行われ、その順に従って籤(くじ)取りが行われますが、現在、次の順序で行われています。

(1) 鉾(3基)の順番を決める籤(くじ)取り
(2) さきの巡行列の山(13基)の順番を決める籤(くじ)取り
(3) さきの巡行列の傘鉾(2基)の順番を決める籤(くじ)取り
(4) あとの巡行列の山(6基)の順番を決める籤(くじ)取り

この籤(くじ)取り式は、国の重要無形民俗文化財に指定されている「京都祇園祭の山鉾行事」における重要な行事の一つでもあります。

なお、7月17日の山鉾巡行は、籤(くじ)取り式により決められた順番により巡行しますが、渡された籤(くじ)札は巡行のとき、籤(くじ)改めと場所(四条通堺町西入)で奉行役の市長によって改められます。

京都市役所市会議場にての 籤(くじ)取り式終了後、引き続き祇園祭山鉾行事功労者の市長表彰が行われ、午前11時50分頃に山鉾連合会役員及び山鉾町代表者が揃って、八坂神社へ社参(お祓いを受けに)し、祇園祭の無事安全を祈願致し
ました。

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